簡単に言うと、ZマウントはNikonの最新レンズマウント規格で、ミラーレスカメラ用に開発されたものです。
• フランジバックが短い(16mm)=レンズ設計の自由度が高く、明るいレンズや高画質レンズが作りやすい
• 動画にも強い 最新の通信方式でAFや手ブレ補正の精度が高い
要するに、Zマウントは「画質のポテンシャルを最大限に引き出すための新世代マウント」です。
はじめに

2018年7月25日、ニコンは新たな次世代ミラーレス用レンズマウント「Zマウント」を発表しました。それまで長年用いられてきた一眼レフ用のFマウントから大きな飛躍を遂げた、革新的な設計として注目を集めました。

「Fマウントは普遍のFマウント」と言われていたのは、ニコンの長年のレンズ資産を象徴するフレーズです。
1959年に登場したFマウントは、一眼レフカメラ用のマウントとしてフィルム・デジタルと60年以上にわたり基本仕様が変わらず、膨大な数のレンズやアクセサリーとの互換性を保ってきました。
Fマウントユーザーにとっては、昔のレンズも最新機種で使えるという安心感がありました。一方で、ミラーレス化や高性能化の面では制約も多く、そこから生まれたのがZマウントです。
※FTZマウントアダプターと言うNikon純正のマウントアダプターもあり、Fマウント資産を活用できる配慮もされています。
Zマウント誕生の背景

NikonZ5+NikonZ40mmf/2
従来のFマウントでは、一眼レフ構造特有のミラーボックスやフランジバック(マウント面とセンサー距離)の長さが、レンズ設計における自由度や光学性能に制約をもたらしていました。これに対し、Zマウントではこれらの制約を取り払い、より豊かな映像表現が可能な設計を目指しました。
特に注目すべきは、その「大口径55mm」と「フランジバックの極短化」というスペック。これにより光の取り込みが向上し、明るい開放値や高解像・高描写性能を実現しています。
Zマウントのメリット
光学設計の自由度が拡大
大口径かつ短フランジバックの仕様は、従来の設計では困難だった超広角レンズや大口径レンズの製造を可能にし、結果的にFマウント時代には実現しづらかった高性能レンズの登場につながりました。
高速・高精度なデータ通信
Zマウントは、極短距離でのレンズ–ボディ間通信を実現。これにより、AF速度や制御性能の向上、レンズコーティング情報の高速伝送などが可能になり、応答性・信頼性ともに大幅に進化しています。
歪み・収差の低減
Zマウント専用の光学設計により、フレアやゴースト、コマ収差や色収差などの光学的欠点が極力抑制され、シャープでクリアな描写が安定して得られます。
レンズラインナップの充実度
Zマウント用の純正NIKKOR Zレンズは、S-Line(高性能プロフェッショナル)からエントリーモデルまで幅広く展開中です。特に以下のようなラインアップが用意されています:
Fマウントとの互換性
FTZ(※FTZ II)アダプターを使用すれば、Zマウント機でもFマウント用の約90本(G・EレンズでAF動作する)さらに360本(D・AiレンズなどMFにて)にも及ぶNIKKOR Fレンズをフル機能で使用可能です。これにより既存ユーザーの資産活用と段階的な移行がスムーズに行えます。
ユーザーの声・評価の概要
Zマウントの登場以降、ユーザーやレビュー記事では「写りがシャープになった」「AFが速くて迷わない」「レンズが明るくて表現の幅が広がった」という声が多数上がっています。
また、今はまだ少ないながらもZマウント対応のサードパーティレンズも登場し、ユーザーの選択肢がより豊かになっています。
今後への期待
ニコンはZマウント設計を軸に、さらなる小型化や高性能化、新たな光学技術への挑戦を続けています。現時点では超広角や大口径レンズが少ないという指摘もあるため、今後のラインナップ拡充に期待が集まっています。
まとめ
Nikon Zマウントは、「大口径55mm × 短フランジバック」の設計により、従来の限界をはるかに超えた光学性能とレンズ設計の自由度を実現しました。純正・サードパーティ製を含む豊富なレンズラインナップに加え、既存Fマウントレンズとの互換性も確保。現在進行形で進化を続ける、ニコンのミラーレス未来の中核です。
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