スマホカメラの台頭でデジタルカメラを持たないユーザーも多いなか、一眼カメラが得意とする撮影の一つに「望遠撮影」があります。
望遠レンズは野鳥撮影・飛行機撮影など特定のジャンルで欠かせない存在です。時には標準レンズ以上に使用頻度が高くなることもあります。
野鳥・鉄道・飛行機など撮影ジャンルが決まっているカメラマンさんには標準レンズを持っていないカメラマンさんも多数います。それほど望遠撮影と言うジャンルは特筆するジャンルになります。
しかし、望遠レンズを使った撮影にはコツがあり、他のレンズよりも慣れるまでに時間がかかることがあります。
私自身、動物園を撮影することが多く、望遠レンズの使用頻度が高いです。その経験を踏まえ、今回は「望遠レンズの使い方」について解説していきます。
望遠レンズとは
望遠レンズとは遠くの被写体を撮るのに使用するレンズです。
望遠レンズと言っても【中望遠・望遠・超望遠】と言ったように望遠レンズのなかでもジャンル分けされることが多いレンズです。
・100mmから300mm 望遠
・300mm以上 超望遠
中望遠 70-100mm
70mmから100mmの焦点距離は、望遠レンズの中でも「中望遠」に分類されます。この中望遠では、望遠レンズ特有の「圧縮効果」もある程度楽しめます。ポートレート撮影や、旅先でのスナップ撮影には非常に適した焦点距離です。この範囲は、標準ズームレンズの望遠側でもカバーされることが多く、幅広いシチュエーションで使いやすいレンズです。
使用カメラ :D750 レンズ:SP AF 28-75mm F/2.8 XR Di LD Aspherical [IF] MACRO (Model A09 II) 露出補正:+0.3 露出プログラム:絞り優先オート シャッタースピード :1/320 F ナンバー:f 4 焦点距離 :75mm(35mm換算) ISO :200 WB:Auto
標準ズームで多い焦点距離が35mm換算で24-70mmや24-105mmです。これらの標準ズームを使っていて望遠側がもう少しほしいと感じるカメラマンさんは次に購入するレンズは望遠レンズをオススメします。
望遠 100-300mm
100mmから300mmの焦点距離では、望遠レンズらしい特徴的な写真が撮れます。100-300mmの望遠域はほとんどの望遠ズームレンズでカバーされており、同時にレンズの性能が最も際立つ焦点距離域です。
また、300mmまでの望遠ズームレンズは400mm以上の超望遠レンズと比較してリーズナブルなレンズも多いことが特徴です。
超望遠 300mm〜
300mmを超える焦点距離を持つレンズは「超望遠レンズ」と呼ばれます。
遠くの被写体を大きく、そして鮮明に捉えることができます。超望遠レンズは、乗り物撮影、スポーツ撮影、動物撮影などのジャンルでは特に重宝され、400mm以上の焦点距離をカバーできることは非常に大きな利点になります。
しかし、400mmを超える焦点距離を持つレンズは、価格が一気に上昇し、手軽に購入するのが難しいのがデメリットです。そのため、カメラを始めたばかりでは必須ではないです。経験を積み、撮りたいものが定ることで超望遠レンズの魅力に気づくことになります。
私も交換レンズを購入する段階までステップアップしてから一番はじめに購入したのがAPS-C用の55-200mm(35mm換算80-300mm相当)でした。しかし使いこなすことができず。使用頻度がなく、売却。その後フルサイズ対応の便利ズームの28-300mmを購入。この頃はカメラへの知識も深まり300mm望遠端をAPS-C機で使用して450mm換算で撮影して、遠くの被写体を撮ることの楽しみをしりました。そして現在では野鳥や動物園撮影で100-400mmの望遠ズームレンズを使用するに至っりまいた。自分の撮りたいものと予算を吟味して自分に合う望遠レンズを見つけるのも、望遠撮影の楽しみの一つです。
望遠レンズのシーン別解説
望遠レンズは、広角・標準レンズとは異なり、撮影ジャンル・シーンによっても活用方法が異なってくるレンズです。
シーンに合わせて望遠レンズの特性を活かした撮影が重要になります。
風景
望遠レンズを使って風景写真を撮影する際には、どの部分をクローズアップするかが、重要なポイントとなります。
例えば、壮大な風景全体を表現したい場面では、望遠レンズはあまり適していません。
望遠レンズは、特定の部分をクローズアップしたり、遠くにある被写体を大きく写すのが得意なため、全体を広く見せたい場合は、標準レンズや広角レンズの方が効果的です。
しかし、風景の中に主役になる被写体がある場合や、一部分を切り取って強調したいときには、望遠レンズが真価を発揮します。
望遠レンズは全体を捉えるのではなく、特定の被写体に焦点を絞った撮影に適しているため、風景写真においても、目立つ被写体を引き立てたり、遠近感を圧縮して前景と背景の距離を縮めて見せる表現が可能です。
動物
動物園での動物撮影や、野鳥の撮影には、望遠レンズが多くの人に愛用されています。動物は予測できない動きをすることが多いため、連写機能を活用し、良い瞬間を狙うことが一般的です。
しかし、望遠レンズは重量があるため、振り回す際に手ぶれが生じやすくなります。そのため、動物撮影で望遠レンズを使用する際は、シャッタースピードに特に注意する必要があります。
シャッタースピードの目安としては、基本的に「1/焦点距離」の数値を下回らないように設定しましょう。また、室内での撮影では、屋外と比べて光量が少ないため、シャッタースピードが低下しやすくなります。この場合は、ISO感度を上げることで対応し、ブレを防ぐことが重要です。
↓シャッタースピードについてはこちらの記事を参考ください。
乗物
電車や飛行機といった乗り物撮影においても、望遠レンズは定番です。動物撮影と異なり、車や鉄道、飛行機などの乗り物は、その動きを予測しやすいという特徴があります。
撮影場所や被写体との距離が把握しやすいため、焦点距離を絞ったレンズ選びがしやすいのもポイントです。
乗り物撮影では、動く被写体を追うため、シャッタースピードの低下によるブレを防ぐ必要があります。
動きが予測しやすい利点を活かし、あえてシャッタースピードを遅くして背景を流す「流し撮り」と呼ばれる手法も、乗り物撮影では人気のスタイルです。
飛行機の一部分をクローズアップして迫力を出すカットや、望遠レンズを使って背景を取り入れた遠景カットなど、様々な工夫が可能なのが望遠レンズの魅力です。
望遠レンズの注意点
望遠レンズは、他のレンズと比べて大きく重くなる傾向があり、その分扱いにくさや制約も増えます。使用する際には特有の注意点が多くあるため、これから望遠レンズを使用する際のポイントについて解説していきます。
シャッタースピード
望遠レンズは、シャッタースピードに特に注意が必要です。望遠レンズは、広角・標準レンズに比べてシャッタースピードが遅くなると手ぶれが発生しやすくなります。その結果、ブレた写真になってしまう可能性があります。目安として「1/焦点距離」秒以上のシャッタースピードに設定するのがポイントです。
望遠レンズは手ぶれ補正が搭載されたレンズが多く、手ブレラインのシャッタースピードでの撮影時に便利です。
重量とサイズ
望遠レンズの特徴であり、デメリットなのが大きさと重量です。撮影中や持ち運び時に体への負担が大きくなることにも注意が必要です。
長時間の撮影では腕や腰に負担がかかりやすく、持ち運びの際も荷物が重くなりがちです。しかし、近年では軽量化が進んだ望遠レンズも登場しているため、レンズを選ぶ際には携帯性を考慮したモデルを選ぶことが推奨されます。
望遠レンズの重量やサイズ、焦点距離を含めて様々な種類があります。70-300mmなどの望遠ズームレンズであれば、700g程度の重量であったり、100-400mmなら1kg程度。400mmを超えてくると2kg以上の重量になってきます。超望遠レンズは基本三脚が必須になります。気軽に望遠撮影をしたいなら1kg程度までが基準になると感じます。望遠レンズの購入を考えているカメラマンさんは、「自分の撮影スタイルを考慮する」ことでたくさんある望遠レンズのランナップから、ある程度まで絞ることが可能です。
カメラマン夫の場合は条件が【①予算10万円以内②300mm以上の焦点距離③手持ち撮影が可能】でした。
その条件で絞っていくと意外とレンズの種類は絞られます。当時はその条件に合うレンズがTAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD (Model A035)とSIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OSの2機種くらいだったのでよく調べてどちらにするのかを選んでいました。
Nikonのオススメ望遠レンズ
Nikonユーザーのカメラマン夫がオススメするNikonFマウント(一眼レフ用)・Zマウント(ミラーレス一眼)の望遠レンズを紹介します。
おすすめFマウント用望遠レンズ
Nikon一眼レフ対応おすすめFマウント望遠レンズです。
AF-P NIKKOR 70-300mm f/4.5-5.6E ED VR
フルサイズ対応で70-300mmの望遠ズームレンズ。重量も約680gと軽量で散歩で望遠撮影スタイルには抜群に相性のいいレンズです。
AF-S NIKKOR 200-500mm f/5.6E ED VR
フルサイズ対応の望遠500mmまで対応したNikon純正超望遠ズームレンズ。純正超望遠レンズながら中古市場では10万円程度となっており、発売当時に購入できなかったカメラマンさんも手に届きやすい価格になっています。
AF-S NIKKOR 300mm f/4E PF ED VR
焦点距離300mm、開放F値4、更に重量755gを実現したフルサイズ対応の軽量・望遠単焦点レンズです。動きものの撮影はやっぱり単焦点と言う声も聞くように望遠単焦点は望遠ズームと比較してオートフォーカスのスピードや描写力に定評があります。
おすすめZマウント用望遠レンズ
Nikonミラーレス一眼対応おすすめZマウント望遠レンズです。
NIKKOR Z 70-180mm
望遠ズームのF2.8通し【大三元レンズ】です。NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR Sと言うSラインの【大三元レンズ】もありますが、このNIKKOR Z 70-180mmはSラインではなく手ブレ補正がない、望遠が180mmまでと言ったことでSラインの70-200mmよりも10万円程度安く販売されています。ポートレート中心に明るい望遠ズームを探しているカメラマンさんおすすめ。
NIKKOR Z 180-600mm f/5.6-6.3 VR
焦点距離180-600mmまでをカバーする、軽くて持ち歩きやすい超望遠ズームレンズ。600mmまで対応するのが魅力的なレンズです。重量もギリギリ2kgを切るので手持ち撮影をするカメラマンさんもたくさんいます。さらに価格も20万円前半と超望遠レンズでは破格の価格です。
NIKKOR Z 100-400mm f/4.5-5.6 VR S
Nikon高級ラインSシリーズで100-400mmの焦点距離を有する望遠ズームレンズ。価格は30万円オーバーですが、描写力に定評のあるレンズです。野鳥・乗り物などを手持ちでも撮影できる万能望遠レンズ。
まとめ
今回は望遠レンズの使い方について解説してきました。望遠レンズは他のレンズとは異なる特性を持つレンズです。広角レンズなどとは異なり、構図については特定の被写体に焦点を当てた撮影が中心になります。そのため、シンプルな構図が作りやすいと言えます。
しかし、被写体に合ったレンズ選びが重要なポイントになります。、特に300mmを超える望遠レンズの場合、適切なレンズを選ぶことが大きなポイントとなります。
最後に望遠レンズはサイズや重量から手ぶれが起こりやすくなるため、撮影中は手ぶれ防止に特に注意することが求められます。
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