今年も桜の季節が終えました。皆さん、桜の撮影は楽しめましたか?
「桜を撮る」と一口に言っても、その方法や表現はさまざま。何も考えずに向き合ってしまうと、せっかくの瞬間をうまく捉えられないこともあります。だからこそ、事前に「こんな写真を撮りたい」というイメージを持っておくことがとても大切です。

カメラ :NikonZ5
レンズ:NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
今年の桜の季節は終わりましたが、来年に向けて今年試した桜撮影のテクニックをまとめました。
毎年、桜を美しく撮るための撮影パターンや工夫をご紹介します。天候や桜の状態に左右されても柔軟に対応できるよう、引き出しを増やしておきましょう。
1. 太陽の位置で青空の濃さをコントロール

カメラ :OM-D E-M10markⅡ
レンズ:LUMIX G VARIO 14-45mm F3.5-5.6 ASPH. MEGA OIS.
焦点距離:45mm(35mm換算90mm)
【順光で見上げた桜と青空】
順光で桜を見上げて撮ると、空の青がより濃く写り、桜のピンクとのコントラストが鮮やかに。PLフィルターを使えば青空はさらに深みを増し、雲もくっきり描写できます。

カメラ :NikonZ5
レンズ:NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
焦点距離:30mm
広角で枝ぶりを活かしながら、順光の光を最大限に活かすのもあり。
2. 望遠レンズで桜並木をぎゅっと圧縮

カメラ :NikonZ5
レンズ:TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD (Model A035)
焦点距離:400mm
【望遠で圧縮された桜】
望遠レンズには“圧縮効果”があり、空に向かって桜を撮ることで美しいボケとフォーカスの合った桜が美しく表現できます。曇天なら光が柔らかくなり、優しい雰囲気に。濁りがちな色も明るめの露出でふんわりした印象に仕上がります。
3. マクロレンズで一輪を丁寧に写す

カメラ :NikonZ5
レンズ:NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3
焦点距離:49mm
【マクロで寄った桜のアップ】
アップで撮ると花の傷みも目立ちやすいので、旬の綺麗な花を選ぶことがポイント。背景は自然に大きくボケるので、花そのものの美しさを際立たせられます。やわらかな光の時間帯を選び、明るめの露出でハイキーに。

マクロレンズがなくても最近のミラーレス一眼のレンズは最短撮影距離が短いレンズが多いです。今回紹介している写真も「NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3」の最短撮影距離の0.35mを使用しました。NIKKOR Z 24-50mm f/4-6.3はズーム全域で最短撮影距離が変化しないため、最短撮影距離で一番テレ側の50mmを使用することでマクロレンズに近い撮影が可能です。マクロレンズがなくても今回紹介したような写真も撮ることができます。ぜひ参考にいただければと思います。
4. 逆光でふんわり軽やかに

カメラ :NikonZ5
レンズ:TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD (Model A035)
【逆光でソフトに表現した桜】
逆光の空は淡いブルーになり、軽やかな雰囲気を演出できます。アートフィルターなどを活用すれば、ふんわりソフトな仕上がりに。逆光で明るく表現すれば軽やかに感じさせられます。
5. 人工物も味方にする工夫

カメラ :NikonZ5
レンズ:AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
【線路沿いの桜と提灯】
公共の場所に咲く桜など、どうしても人工物が写り込む場面もあります。そんな時は思い切って構図の中に人工物を入れてることで、人工物を自然に処理できます。
6. 前ボケで柔らかさを演出

カメラ :NikonZ5
レンズ:AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
【ふんわり前ボケの桜】
前ボケは、写真に柔らかく夢のような印象を与えてくれます。主役の桜と前ボケの距離を工夫しながら、中・望遠系で大きなボケを狙いましょう。ピント合わせがシビアになるので、丁寧に確認しましょう。
7. 三脚で狙う長時間露光

カメラ :NikonZ5
レンズ:AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
【夕暮れ時の月と桜】
日没後のほんのり明るい時間帯には、三脚を使った長時間露光が活きます。空が青から黒へ変わるグラデーションの中、静かな雰囲気の桜が写せます。感度を上げず、画質を保つためにも三脚は必須です。

最近のカメラは①高感度耐性が優れている②手ぶれ補正が強力と言うこともあり、三脚を使わずに日没近くでの撮影も楽になっています。三脚があることに越したことはないですが、まずは今美しいと思う写真を撮ることを優先するのが重要です。そこから低感度(低いISO)で撮影をしたいなどの考えが生まれれば三脚を使って、一歩進んだ撮影に取り組むのがいいでしょう。
おわりに

カメラ :NikonZ5
レンズ:TAMRON 100-400mm F/4.5-6.3 Di VC USD (Model A035)
桜は毎年見られるものですが、私たち日本人にとってはやはり特別な存在です。桜前線を追いかけて旅をする方も、近所でのんびり撮影する方も、「自分はどう桜を表現したいのか」を考えることが大切です。
そのためには、たくさん撮って、考えて、工夫してみること。ぜひ今回ご紹介した撮影パターンを参考に、自分なりの桜写真にチャレンジしてみてください。これから毎年、素敵な春の一枚が撮れると最高ですね。
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