このようにNikonのレンズは型式から「シリーズや焦点距離・開放F値・レンズの機能など」がわかります。
Nikon公式HPでもレンズ性能がわかる解説ページがあります。しかし、パッと見てわかりにくい部分もあります。ここではカメラマン夫自身もNikonレンズの型式をわかりやすくするために、まとめてみました。
また、Nikonのレンズは「フィルム時代からデジタル一眼レフカメラ全盛まで60年近く、一貫して続いた【Fマウント】レンズ」、「ミラーレス一眼カメラへ移行した大口径マウント【Zマウント】レンズ」が存在します。
Zマウントになってからは【NIKKOR Z 70-200mm f/2.8 VR S】と現状シリーズ表記がなく、焦点距離・F値・性能と見やすくなっています。VR(=手ブレ補正)、S(=ナノクリスタルコート)などの付加価値の有無に着目されるケースが増えています。
Nikonレンズの型式解説
シリーズ
レンズの頭につくAF-PやAF-Sはレンズのシリーズとなります。このシリーズからオートフォーカス(以下:AF)に使用しているモーターの種類や、そもそもオートフォーカスの有り無しがわかります。
Nikonのレンズはフィルム時代から一眼レフカメラ全盛までFマウントレンズが60年近く活躍したこともあり、このシリーズから大まかな性能がわかるようになっています。
・AF-P
【ライブビュー対応ステッピングモーター搭載レンズ】
ライブビュー撮影でも高速なオートフォーカスを実現したモデル。
2016年1月以降に発売。この後ミラーレスへ以降したため、AF-Pレンズは種類が少ない。
・AF-S
【超音波モーター(Silent Wave Motor)搭載レンズ】
静かで高速なオートフォーカスを実現。超音波モーター(サイレントウェーブモーター Silent Wave Motor)搭載。
デジタル一眼レフカメラ全盛時代のレンズ。その為、AF-Sレンズの種類は豊富で、中古市場でもたくさんのレンズを目にします。そのため、Nikonのレンズを探している人はよく目にする型式になるのではないでしょうか?
・AF-I
【コアレスAFモーター搭載レンズ】
レンズ内AFモーター搭載レンズ。AF-Sで使用している超音波モーターではない。モーター駆動音、AF速度ではAF-Sレンズには劣る。しかし、レンズ内AFモーター内蔵なので、AFモーター非内蔵のカメラボディでの使用も可能。
・AF
【ボディ内AFモーター内蔵カメラでAFが可能なレンズ】
Nikon特有のややこしいレンズ。ちょうどフィルムとデジタル、どちらでも使用できるレンズになる。Nikonではカメラボディ本体にAFモーターが搭載されているボディがあり、そのカメラボディとの組み合わせではAFが機能する。最近のカメラで使用するとほとんどAFが使えない。
※マニュアルフォーカス(以下:MF)での使用は可能。
・Ai
【開放F値の情報をカメラボディに伝える開放F値自動補正レンズ】
開放F値の情報をカメラボディに伝える開放F値自動補正(Automatic Maximum Aperture Indexing)方式のレンズシリーズ
※Aiのみの記載ではマニュアルフォーカス。
このレンズもややこしく、Aiレンズの露出レバーを搭載しているカメラボディではない場合は、開放F値の情報伝達ができないので、フルマニュアル撮影となる。
しかし、オールドレンズとしての人気は現在でも高く、中古市場ではオールドレンズファンやオールドニッコールファンの間ではさまざまな種類が流通している。
・New
【デザインを一新したレンズ】
ほとんど目にすることはないシリーズ。
・AUTO
【一眼レフで最初のレンズ】
センサー
・無印=FX【FX(フルサイズ)対応レンズ】
FX=35mmフルサイズ対応のレンズ。NikonではFXやDXの【明記がないモデル=無印】のレンズがフルサイズフォーマット対応レンズになります。
・DX
【DX(APS-C)専用レンズ】
DX=APS-C専用のレンズ。
・1
【CX(1型)専用レンズ。
Nikon独自規格のNikon1専用のレンズ。2023年現在では生産が終了している企画。Nikon好きのカメラマンさん以外は気にしなくてOK。
センサーサイズについてはこちらの記事で解説しています。
フルサイズ対応のレンズはAPS-Cセンサーのカメラボディでの使用できます。
APS-C専用のレンズはフルサイズセンサーのカメラバディでは四角が黒く欠けて、そのままのフォーマットでは撮影できません。
ブランド
・Nikkor
【ニッコールレンズ】
Nikonレンズにつけられる名称。
タイプ
・Eレンズ
【絞りリングなし+電気信号制御】
絞りリングがなく、カメラボディから電気信号で絞り制御を行うレンズ。
・Gレンズ
【絞りリングなし+機械絞り制御】
絞りリングがなく、カメラボディから機械的に絞り制御を行うレンズ
・Dレンズ
【絞りリングのあるレンズ】
絞りリングのあるレンズ。被写体までの距離を伝達するD(Distance)信号を伝えるレンズ。
・Pレンズ
【高露出精度のCPUレンズ】
Fマウント最終期のレンズ。種類は少ない。また対応するボディが限られるため、対応確認が必要。
・Sレンズ
【Ai-Sレンズ】
Aiを改良したレンズ。カニ爪がついているレンズがほとんど。
機能
・Zoom
【ズームレンズ】
最近のレンズでは見ることはない。
・PC
【ティルトシフトレンズ】
一般のカメラユーザーでは使うことは少ないかもしれません。
・Micro
【マイクロレンズ】
Nikonではマイクロレンズと言う。他メーカーではマクロレンズ。
・Fisheye
【魚眼レンズ】
・ED
【EDガラス使用】
色収差を補正して色にじみを低減するED(特殊低分散)ガラスを使用したレンズ。
・FL
【蛍石レンズ搭載】
色収差を補正してレンズを軽量化できる蛍石レンズ(Fluorite Lens)を使用したレンズ。
・PF
【小型軽量レンズ】
色収差を補正してレンズを小型軽量化できるPF(Phase Fresnel)を使用したレンズ。
・VR
【光学手ブレ補正】
光学手ブレ補正機能が搭載されているレンズ。
・IF
【IF方式レンズ】
中間のレンズ群を駆動してピントを合わせるIF方式(Internal Focusing)のレンズ。
・DC
【DCリング搭載レンズ】
レンズの一部を前後に動かすことで、被写体の前後のボケ像の形状をコントロールできるDCリング(Defocus-image Control)搭載のレンズ
・C
【マルチコートレンズ】
マルチコートを施したレンズ
・N
【ナノクリスタルコートレンズ】
ゴーストやフレアーを低減してクリアな画像をするレンズ。反射防止コーティングのナノクリスタルコート(Nano Crystal Coat)を施したレンズ。
※Nの表記は型番にはなく、レンズにNのマークがつくので注意。
・S
NIKKOR Z レンズの中でも、さらに高い基準を満たすレンズにつけられた称号。
S-Lineの「S」には、「優れた(Superior)」、「特別な(Special)」、「精緻な(Sophisticated)」の意。
※S-Lineに属しているレンズは末尾にSがつく。
NレンズはFマウント最高傑作とも言えるレンズ。NレンズはSレンズと名前を変えてZマウントのレンズとして継承されている。
レンズ構成
・T【3枚構成のレンズ】
・Q
【4枚構成のレンズ】
・P
【5枚構成のレンズ】
・H
【6枚構成のレンズ】
・S
【7枚構成のレンズ】
・O
【8枚構成のレンズ】
・N
【9枚構成のレンズ】
・D
【10枚構成のレンズ】
・UD
【11枚構成のレンズ】
最近のレンズでは目にすることがほとんどない項目です。
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