結論
・24-120mmf/4があれば8割の撮影はできる
・中古で4-5万円程度で買える
・3.5段分のレンズ内手ぶれ補正有り
・ナノクリスタルコートでフレア・ゴーストが軽減
【Nikon AF-S NIKKOR 24-120mm f/4 G ED VR】
Nikonが2010年9月に発売したレンズ。他社の小三元標準ズームレンズの焦点距離24-105mmと比較してNikonは望遠側が120mmまで対応しており、5倍ズームレンズとなる。さらに開放F値が4で一定である。レンズ自体にはNikon独自の「ナノクリスタルコート」がほどこされており、ゴースト・フレアへの耐性も高いレンズである。レンズ内手ぶれ補正も「3.5段分」搭載とISO感度を上げたくない場面や低速シャッタースピードを使用時に重宝する。
【F値・シャッタースピード・ISO感度】と【手ブレ補正】についてはこちらの記事を参考にしてください。
DX機、FX機と使用してきて、標準ズームもいろいろ所有しましたが、最終行き着いたのがこの「Nikon AF-S NIKKOR 24-120mm f/4 G ED VR」でした。AF速度、描写力、手ぶれ補正、24-120mmの機動力。どれも満足レベルです。このレンズを購入した時に、はじめからメーカー純正の小三元標準ズームレンズを購入しておけばよかったと思いました。標準ズームの選択で悩んでいる人は予算が許すなら、ぜひお持ちのカメラメーカーが発売している24-105f/4(ニコンは24-120mm)のご購入を検討してみることをオススメします。
Nikon AF-S NIKKOR 24-120mm f/4 G ED VRの特徴
カメラマン夫がAF-S NIKKOR 24-120mm f/4 G ED VRのオススメポイントを紹介していきます。
広角24から120mmをカバー
【広角端24mm・望遠120mm】普段よく使われる焦点域を幅広くカバーする5倍標準ズームレンズです。広角24mmも最近のズームレンズでは一般的になってきましたが、一昔前では広角端は28mmスタートが多く、24mmと28mmは比べると差は歴然です。24mmは周辺に向かってパースが効くので広角撮影をしている満足感があります。
さらに望遠側は120mmとキャノンやソニー、シグマが発売しているF4通しの標準ズームレンズの24-105mmと比べて望遠側で有利です。120mmは中望遠の部類に入ってくるため、ポートレート撮影でも活躍してくれます。
このように24-120mmの焦点域をカバーしてくれることで「風景・スナップ撮影・ポートレート」と様々なシーンを一本で対応することができます。
【24mmと120mmの比較】
屋外フェスでアーティストのイーシス(ヒロ)さんの撮影をさせていただいた際の写真です。
ステージ最前列から24mmで撮影した写真です。
そしてこちらがステージ前列の端から望遠120mmで撮影した写真です。
このようにAF-S NIKKOR 24-120mm f/4 G ED VRはレンズ交換なくタイムリーにほしいカットを思いのまま撮らせてくれるレンズです。
開放F値は4で一定
開放F値は【4】で24-120mmのズーム全域で一定です。F値が一定のレンズの最大のメリットとしては焦点距離の違いで露出が変わらないことです。
F値が固定でないレンズでは広角端と望遠端では一段ほどF値が変わってきます。
ズーム全域を意図する一定のF値を選択することで、イメージの撮影にストレスなく近づけることが可能になります。
ズーム全域で最短焦点距離45cm
ズーム全域で最短焦点距離が45cmです。開放F値4と大きなボケを作りにくいので、望遠側を使って被写体に近づくことでボケのある撮影への対策もできます。
ナノクリスタルコート採用
レンズ内の光の反射を徹底的に防ぎ、「フレア・ゴースト」を抑えるニコンの特色技術【ナノクリスタルコート】を採用しています。
↑Nikonのサンプル画像です。大自然の写真です、フレア・ゴーストに強いことが見てわかりますね。
このナノクリスタルコート技術は高い評価を受けており、現行のZシリーズレンズの高級ライン「Sライン」にも採用されている技術です。
ナノクリスタルコートが採用されていることで屋外での撮影はもちろん、屋内でもパーティー会場などスポット光などの強い光源下での効果も絶大に感じます。しかもコーティングは鏡筒内のレンズに施されているので、半永久的にコーティングの恩恵を受けることができます。
3.5段分のレンズ内手ブレ補正
3.5段分のレンズ内手ブレ補正が搭載されており、ノーマル・アクティブと2つのモードから撮影シーンに合わせて選ぶことが可能です。(レンズに切り替えスイッチ有り)
VR(手ブレ補正)のノーマルとアクティブについて、補足しておきます。通常の撮影ではノーマルでOKです。動きの大きいスポーツなどの撮影もノーマルでOKです。アクティブは撮影者自身が動きながら撮影する場合に使用します。車に乗ったまま撮影するや、スポーツフィールドで走りながら撮影すると言った時です。スポーツシーン等でも基本はノーマルで車に乗ってアスリートを追うなどの時にアクティブにします。アクティブは撮影者が動きながら撮影する場合に選びます。
静音・高速のオートフォーカス
超音波モーターSWMを搭載しおり、静かで高速なオートフォーカス撮影が可能です。
更にM/Aモードがあり、オートフォーカス時にフォーカスリングを回すとマニュアルフォーカスへ切り替えることが可能。素早いピント合わせが可能です。
Nikon AF-S NIKKOR 24-120mm f/4 G ED VRの注意点
ここからはAF-S NIKKOR 24-120mm f/4 G ED VRの注意点を紹介。注意点もうまく付き合うことで補えます。
広角端24mmでのF4開放時の周辺光量落ち
私が使っていて一番感じるデメリットが【24mmf/4=広角端開放絞り】での撮影時の画像周辺の光量落ちです。
対応としてはF11程度まで絞って撮影すると許容できるレベルまで改善されます。F11まで絞って撮影する場合はシャッタースピードとISO感度をしっかりチェックして「ブレ」ないように設定をする必要があります。またブレてしまう場合は三脚を使用しましょう。
風景撮影では三脚を使ってF11以上に絞って撮影することで対応ができます。しかし、私は仕事で撮影することの多い「室内でのペット撮影」では【24mmf/4=広角端開放絞り】での撮影頻度が以外と多いです。実際、現場ではある程度妥協して、レンズ中心部でしっかりと被写体(ペット)を捉えることを優先して、レタッチで対応を行っています。
ペット撮影では周辺光量落ちよりも解像度の高い中心部にかわいいペットの顔がくることがお客様によろこんでいただける写真だからです。
Fマウントであれば【AF-S NIKKOR 14-24mm f/2.8G ED】、Zマウントであれば【NIKKOR Z 14-24mm f/2.8 S】【NIKKOR Z 14-30mm f/4 S】の評価が高く、開放絞りでも隅々まで描写すると定評があるようです。
約710gの重量
重さ約710gと標準ズームレンズとしては日常撮影用レンズとしては重く感じる場面はあります。
ニコンFX機(フルサイズ)の標準ズームレンズとしてAF-S NIKKOR 24-120mm f/4 G ED VRと同じように名前の上がる「AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR」 性能面では見劣りしますが重さは「約465g」とAF-S NIKKOR 24-120mm f/4 G ED VRの6割程度の重さとなります。【性能と重さ】どちらをとるかは難しいですが、この悩みは永遠とつきまとうテーマになります。
Fマウントレンズ
AF-S NIKKOR 24-120mm f/4 G ED VRのデメリットとして一番に上がるのが【Fマウント】対応レンズと言う点でしょう。
FマウントレンズはNikonの【一眼レフカメラ用】(厳密に言うとフィルム時代から一眼レフ時代)のレンズです。
その為、ミラーレス一眼のZシリーズで採用されている【Zマウント】ではそのまま使用することができず、FTZなどのマウントアダプターが必要になります。
また、これからの流れを考えると一眼レフ機の最新機種は今後発売されるか不透明です。Fマウントで使いたい場合はD780やD7500と言った新品でも購入できるFマウントのカメラか中古のFマウントのカメラとの組み合わせになってきます。
レンズとしては古い部類に入る
はじめにも書きましたがNikon AF-S NIKKOR 24-120mm f/4 G ED VRは2010年9月発売と、発売してから10年以上経過したレンズです。作例を見る限りでは満足いく描写ではありますが、現行のZマウント【NIKKOR Z 24-120mm f/4 S】と比較すると描写力・解像度の差は歴然です。(カメラマン夫は撮り比べたことがないので情報や作例を見る限りの情報です)どうしてもZマウントになったことでマウント口径が大きくなり、光学的有利と現行技術を使用した現行レンズにはおよばないのが現実です。
作例紹介
使用カメラ :D750 レンズ:AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR 露出補正:+1.3 露出プログラム:絞り優先オート シャッタースピード :1/500 F ナンバー:f 4 焦点距離 :120mm(35mm換算) ISO :100 WB:Auto 編集ソフト:Affinity Photo
いかがですか?風景、テーブルフォト、ペット、ポートレートとさまざまなシーンに対応できるレンズであることが伝わるといいなと思います。画角も24mmから120mmまでズーム全域のイメージがつかめるようなサンプル写真を選んでみました。
一眼レフとミラーレス一眼に取り付けた時の外観
【D750+AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR】
【Z5+FTZⅡ+AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR】
D750+AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRとの組み合わせはセットレンズとして発売されていただけあって、絶妙なバランスで違和感のないぴったりした見た目とフィット感です。
Z5+FTZⅡ+AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VRはどうしてもマウントアダプターが間に入るため不格好に見えます。しかし撮影フォームに入ると違和感なく操作でき、レンズとボディの重量バランスも良く違和感なく撮影に望めます。
商品紹介
【AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR】
【FTZ&FTZⅡ】
【Nikon D750】
【Nikon Z5】
【NIKKOR Z 24-120mm f/4 S】
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