広角レンズとは 〜一眼レフ・ミラーレス一眼〜

カメラの基本

広角レンズとは、一般的に焦点距離が35mm以下のレンズを指します。この広角レンズは、さらに「超広角レンズ」と「広角レンズ」の2種類に分類され、広い画角で写真や動画を撮影する際に役立ちます。

【広角レンズとは】
・広い画角:一般的に焦点距離35mm以下で被写体を広く写すことができる。
・遠近感の強調:奥行きや立体感を強調した写真が撮れる。
・建築・風景写真に最適:建物や風景の全体像を捉えることができます。
・ダイナミックな表現:広い焦点距離を活かしたダイナミックな撮影ができる。

それぞれのレンズには異なる焦点距離や特徴があり、撮影目的やシーンに応じて最適なレンズを選ぶことが重要です。

この記事では、広角レンズの使い方について解説します。また、広角レンズの選び方やおすすめのレンズも紹介しますので、参考にしてみてください。

広角レンズとは

一言で言うと「広く写せるレンズ」です。最近の標準ズームレンズの広角側で主流の焦点距離24mm。この24mmよりも更に広く、一枚の写真にたくさんの情報量を入れることができるレンズです。

広い画角で撮影できる

【35mm換算:焦点距離18mmにて撮影「撮影場所:熊本県阿蘇」】

広角レンズは、人間の目で見るよりも広範囲を撮影できるレンズです。一般的に焦点距離が35mm以下のレンズを指します。

広角レンズは、焦点距離が短いほど広い範囲を撮影できます。目の前に広がる風景をダイナミックに描写することができます。

特に海・山・草原など、壮大な景色を画角に収めたいときには最適です。

遠近感(パースペクティブ)の強調

広角レンズは、近くの被写体を大きく、遠くの被写体を小さく捉えることができます。このため、遠近感を効果的に表現することが可能であり、建物を立体的に描写したり、奥行き感を強調したりするのに適しています。

また、遠近感を活かすことで、メインの被写体を前面に引き立たせながら、背景の広がりを強調することができます。焦点距離が短くなるほど広い視野角で背景を捉えるため、風景や建物なども効果的に撮影することができます。

パースの歪みはカメラボディや編集ソフトで調整できます。紹介している写真はカメラ側で調整しています。そのため、18mmで撮影していますが、比較的歪みが気にならないできあがりになっています。カメラマンによって調整機能をオフにしてパースの歪みを作品に落とし込む人もいます。

全体にピントを合わせやすい

広角レンズは、その被写界深度の深さも特徴の1つです。

被写界深度とは、ピントが合う範囲のことです。焦点距離が短いほど、広範囲にわたってピントが合っているように見えるパンフォーカスの写真を撮影することができます。

被写界深度(ひしゃかいしんど)はカメラ初心者、初級者の方には少し難し言葉・内容になります。

デジタル一眼レフカメラの基礎知識 - レンズ | Enjoyニコン | ニコンイメージング
ニコンが、デジタル一眼レフカメラの基礎を、初心者にも分かりやすく解説します。絞り値(F値)、レンズの焦点距離、撮影距離(被写体とカメラの間の距離)で決まる被写界深度についてイラストや写真を交えて説明します。

詳しくは上記のニコンの解説ページを参考にしてみてください。
ただ、完全に理解にするのはカメラと触れ合う時間が必要です。ここでは簡単に以下のように覚えておきましょう。
・被写界深度が深い=ピントが合う部分が広い=ボケにくい
・被写界深度が浅い=ピントの合う部分が狭い=ボケやすい

広角レンズは、手前から奥までのシーン全体にわたってピントを合わせることができるため、風景や建物の撮影に適しています。ピンぼけが少なく、シャープで細かい描写が得られます。

標準レンズや望遠レンズと比較すると、背景のボケ感は得られにくい傾向があります。人物や動物を対象にしたポートレート撮影や、背景をぼかして主題を際立たせたいときには、焦点距離の長いレンズの使用が推奨されます。

広角レンズと超広角レンズ

【広角レンズ】焦点距離

一般的に焦点距離が24mm~35mmのレンズを指すことが多い。

カメラマン夫
カメラマン夫

35mmは広角と標準の境目と言われます。カメラマンさんによって35mmは広角レンズと言う人もいれば、標準レンズと言う人もいます。
私は標準レンズの広角側と言うことが多いです。

特徴

• 遠近感を強調し、広い範囲を一度に撮影できる。

• 被写界深度が深く、手前から奥までピントが合いやすい。

• 歪み比較的少なく、自然な広がりを持つ写真が撮れる。

【超広角レンズ】焦点距離

焦点距離が24mm以下のレンズを指すことが多い。特に16mm以下のレンズは「フィッシュアイレンズ」とも呼ばれ、極端な歪みを持つことがあります。

特徴

・広角レンズよりさらに広い画角を持ち、一度に多くの情報を撮影可能。

・遠近感がさらに強調され、被写体に近づくことでダイナミックな構図が得られる。

・歪みが強く、特に画面の端が引き伸ばされるような効果が出やすい。

・狭い場所でも広い範囲を撮影できるため、建築写真やインテリア写真に便利。

【共通点と違い】共通点

・どちらも広い範囲を撮影するために使われる。

・ 遠近感を強調するため、風景や建築物、室内撮影に適している。

違い

・広角レンズは24mm~35mmの焦点距離を持ち、自然な広がりを表現。

・ 超広角レンズは24mm以下の焦点距離を持ち、極端な広がりと歪みを表現。

これらの違いを理解することで、撮影シーンや目的に応じて適切なレンズを選ぶことができます。

カメラマン夫
カメラマン夫

広角と超広角の境目は曖昧です。特に広角レンズは技術が進むことで画角が広くなっています。フィルム時代なら24mmでも超広角と言われていました。それがデジタル時代になって18mmが超広角と言わました。現在では14mmや16mmが超広角と言われます。とても曖昧な境目になるので、使う人が超広角と思えば超広角になると思います。

広角レンズの選び方

広角レンズを購入する時はまず「自分の所有しているカメラボディに合う(マウント対応)かと、センサーサイズ(フルサイズ・APS-Cなど)の確認が重要です」

カメラのマウントを確認する

まずは所有しているカメラボディの「メーカーと一眼レフかミラーレス」かを確認します。

ニコンの一眼レフの場合は【Fマウント】なのでそれに対応しているレンズを選ぶことになります。

同じニコンでもミラーレスだと【Zマウント】になるので【Fマウント】の一眼レフでは使えません。

カメラマン夫
カメラマン夫

ソニーのミラーレスならEマウントなど各メーカーでマウントが違うので、狙っているレンズが対応マウントかを確認する必要があります。

センサーサイズの確認

センサーサイズとはカメラに内蔵されているイメージセンサーの大きさです。


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センサーサイズについてはこちらの記事で詳しく書いています。


一般的には【フルサイズ・APS-C・マイクロフォーサーズ】がメインどころになります。マイクロフォーサーズは共通規格なのでマイクロフォーサーズ対応レンズなら、どのボディでも使用できます。

問題はフルサイズとAPS-Cです。ニコンやソニーは同じマウントでフルサイズでもAPS-Cでもレンズが使用できます。

ここで何が困るかと言うとフルサイズ対応の18-35mmの広角レンズをAPS-Cサイズのカメラボディに装着すると27-52mm相当の画角になってしまうことです。

もっているカメラボディがフルサイズならレンズの記載通りの画角・焦点距離で使用できます。

APS-Cの場合はレンズの記載の1.5倍(キャノンは1.6倍)相当の画角・焦点距離になることを加味しないといけません。

APS-Cサイズのカメラで18mm相当の広角レンズが欲しい場合は12mmのAPS-C専用の広角レンズを購入する必要があります。
一般的にAPS-Cはフルサイズに比べて広角撮影が弱点になります。色々な広角レンズを使いたい人はフルサイズのカメラボディの購入も合わせて視野に入れる必要があります。

オススメの広角レンズ

ここからはカメラマン夫が選ぶ【オススメ広角レンズ】を紹介させていただきます。

私はNikonユーザーなのでNikonは実際に使っているレンズや購入予定のレンズからチョイスしました。その他のメーカーはメーカーカタログなどを見て、価格・性能のバランスがいいな、高くてもコレはオススメできるなと言ったレンズを選んでいます。カメラマン夫の主観で選んでいますので、売れ筋だったり、高評価のレンズでない場合もあります。ご了承、ご理解のほどお願いいたします。
ブログ掲載リンクより商品を購入された場合は当ブログ収益となります

Nikon

【NikonFマウント】
・Nikon AF-S NIKKOR 18-35mm F3.5-4.5 G ED

ニコンFマウントからは実際にカメラマン夫が使用しているフルサイズ対応「AF-S NIKKOR 18-35mm F3.5-4.5 G ED」をオススメ。

焦点距離18-35mmと広角レンズとして必要十分なレンズであること、中古価格が3-4万円程度と手に入れやすい価格であることが魅力です。

Nikon AF-S NIKKOR 18-35mm f/3.5-4.5G ED 広角ズームレンズ
【結論】 ・中古で3-4万円台で買えて高い描写力 ・NikonFマウントFX機対応(一眼レフフルサイズ機)広角ズームレンズ ・軽量・コンパクト(全長95mm・重量385g) AF-S NIKKOR 18-35mm F3.5-4.5 G ED

【NikonZマウント】
・NIKKOR Z 14-30mm f/4 S

ニコンミラーレス一眼からはF4通しの小三元広角レンズ「NIKKOR Z 14-30mm f/4 S」をオススメ。
14mmスタートの超広角レンズで価格も10万円代と最新のZマウントでは比較的手にし易い価格も魅力です。

Canon

【CanonRFマウント】
・RF15-30mm F4.5-6.3 IS STM

キャノンからはミラーレスRFマウントからRF15-30mm F4.5-6.3 IS STMをオススメ。キャノンミラーレスの広角ズームレンズの入門機として最適なレンズです。

SONY

【SONYEマウント】
・FE 16-25mm F2.8 G SEL1625G

ソニーからは2024年発売の最新の広角ズームレンズをオススメ。ソニーの高性能レンズGシリーズから登場。また焦点域が16-25mmとレンズの設計に無理が少ない焦点域となっているため、軽量でGシリーズでありながら10万円代で購入できる広角レンズです。

TAMRON

【SONYEマウント】
・17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)

ソニーEマウントのみの対応となりますが、下記で紹介するシグマ16-28mm F2.8 DG DN同様にF2.8通しが魅力の広角ズームレンズです。F2.8通しながら重量が約420gと軽量なレンズです。ソニーユーザーさんのブログなんかでは結構タムロンさんの17-28mm F/2.8 Di III RXD (Model A046)を使っている人が多い印象です。

SIGMA

【SONYEマウント・PanasonicLマウント】
・16-28mm F2.8 DG DN

F2.8通しの広角ズームレンズ。対応マウントはソニーEマウントとパナソニックLマウントとソニー・パナユーザーのレンズの選択の幅を広げてくれるレンズです。レンズの全長が変わらないインナーズームも魅力的な一本です。

まとめ

今回は、広角レンズの使い方とおすすめのレンズをご紹介しました。

広角レンズは、標準レンズや望遠レンズに比べて、より広い範囲を画角に収めることができます。目の前の風景をダイナミックに描写したり、建物の立体感を表現したり、壮大なシーンを伝えたいときに非常に便利です。

広角レンズは製品ごとに焦点距離が異なるため、さまざまな焦点距離のレンズを使い分けることで、風景、建物、星空など、さまざまなシチュエーションでの撮影が可能になります。

表現の幅を広げたい方は、ぜひ広角レンズを活用してみてください。

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