「絞り(F値)」の基本。一眼カメラらしいボケ表現に必須項目

6/25ブログサムネ カメラの基本
【カメラマン夫が一番に勉強してほしい項目】
カメラ初心者から初級・中級者へステップアップして行きたいカメラマンさんに一番初めにチャレンジしてほしい項目です。
・この記事を見て絞り(F値)の基本を理解したら、カメラの絞り優先オートを使って、任意のF値で撮影にチャレンジしてみましょう。写真の世界が広がります!

一眼カメラを使えばボケ味のある写真が撮れるます。
確かに一眼カメラを使用することでボケの表現に優れた撮影を行うことができますが、美しいボケを出すためには、カメラの設定を知る必要があります。
今回はそんなボケ味を出すために知っておくべき「絞り」の設定について、解説していきます。

この記事では絞り(F値)について解説しています。「絞りのみを自分の好みに設定してその他はカメラ任せ」にできる【絞り優先オート(Nikon:Aモード、Canon:Avモード)】を活用して、自分のイメージに近いボケ味のある写真撮影にチャレンジしてみてください!!
デジタル一眼レフカメラの基礎知識 - 露出 | Enjoyニコン | ニコンイメージング
ニコンが、デジタル一眼レフカメラの基礎を、初心者にも分かりやすく解説します。絞り値(F値)についてイラストや写真を交えて説明します。

一眼カメラの設定

写真の3要素

一眼カメラを使った撮影を行うとき、色々な数値を目にすると思います。

主に「ISO感度」「シャッタースピード」「絞り」の数値を調整して撮影を行います。

今回ご紹介するようなボケ味に優れた撮影を行う場合、オートモードでの撮影では、理想的なボケ味が自動の設定によって出ない場合があります。

カメラマン夫
カメラマン夫

近年販売されているカメラは、オートモードで撮影した場合でもシーンに合わせた綺麗な写真を撮影することができます。ただオートで撮影すると綺麗には撮れるけど、イメージ通り(今回の場合はボケ感)の写真にならないと感じることがあると思います。そんな時に便利な設定が絞りです。

そんな時に自分自身で理想的な写真にするためにも、カメラ設定に関する基礎知識を知っておくことで、撮影の幅も大きく広がります。

絞り(F値)はピントの合う範囲

F値まとめ

今回解説する「絞り」は、簡単に言うと「ピントの合う範囲を決める」設定になります。

ピントの範囲というとイメージしにくいと思いますが、さらに簡単に言うとを「写真にどれだけボケを出すか」という設定になります。
そのため、背景がぼけた写真を撮影する場合は、絞りを設定することになります。

絞りは「F値」とも呼ばれて、F値の数値を変更することで、設定を変えることができます。(数字が小さい方がボケる・大きいとクッキリ)

レンズレッスン - Lesson21:最適な「絞り」の見つけかた | Enjoyニコン | ニコンイメージング
今回は、これまでレンズレッスンでも何度か取り上げてきた「絞り」についてのお話をしたいと思います。写真の“ピント合わせの範囲”を決めるためにとても大切な役割を担っている絞り。被写体のどこまでにピントを合わせどれくらいまでボケさせるのか、絞りを理解することで、被写体や写真の仕上がりイメージに合った適切な「絞り値」を選べるよ...

背景をボカした撮影

F1.4ボケ写真使用カメラ :NikonD7000 レンズ:AI Nikkor 50mm f/1.4S 絞り優先オート
シャッタースピード :1/320  F ナンバー:f 1.4  ISO:400 焦点距離 :75mm

絞りの設定で最も変化が出るのは「ボケ味」です。

例えば人物を撮影するポートレートにおいて、被写体である人の顔にピントを合わせて、それ以外の背景はボケるなどといった写真を撮影する場合は、絞り(F値)の設定が重要です。

ボケを表現することで、「一眼カメラらしさ」を感じらます

カメラマン夫
カメラマン夫

スマートフォンでは表現しにくいボケ味のある写真は、美しい写真へと仕上がりやすい傾向にもあります。スマートフォンで撮影している写真からステップアップした人にも一眼カメラやボケやすいレンズはオススメです。

広角レンズを使って全体にピントを合わせたい場合
絞り(F値)の話になる時は【ボケ】についての話になることが多いです。ただ絞り(F値)はボケだけに関係する設定ではありません。風景写真や全体写真などでは全体にピントを合わせたいですよね?特に広角レンズを使う時は、写る範囲も広くなるので絞りの設定には注意しましょう。
※広角レンズは比較的F値を下げてもボケにくい傾向にあります。それでも風景や全体撮影ではF8程度から試し撮りをして、全体にピントが合う設定を確認しましょう。

F値を低くする

カメラの設定で、F値を低くすることでどのような変化が起きるのかを解説していきます。

ピントが合う範囲が狭くなりボケる

F2ボケ丸亀城
使用カメラ :NikonD750 レンズ:AF-S NIKKOR 50mm f/1.8 絞り優先オート
シャッタースピード :1/3200  F ナンバー:f 2  ISO:200 焦点距離 :50mm

F値を下げることで、ピントが合う範囲が狭くなり、ピントが合った部分以外がボケた写真を撮影することができます。

レンズによって開放絞り値(下げることのできる限界のF値)が異なり、F2.8のものもあれば、F4のレンズも存在するため、そのレンズによってボケ方に違いが出ます。


また、焦点距離やカメラと被写体の距離、更に背景の距離によってもボケ方が変わるので注意が必要です。

カメラマン夫
カメラマン夫

【50mm/F1.8】と言うレンズの開放F値は【1.8】となります。カメラを初めて買う人が目にするであろうセットになっているズームレンズでは【28-70mm F3.5-5.6】と言った「28mmでは3.5」「70mmでは5.6」開放F値が変動するレンズも多いので注意が必要です。

F値を低くする=フォーカスに注意

【NikonAF-S NIKKOR 50mm f/1.8G使用:F1.8にて撮影】

開放絞り値がF1.4F1.8など、非常に低いレンズにおいては、ピントを合わせる場所に注意が必要になります。

特定の被写体を撮影する場合に、その被写体にしっかりピントを合わせるように調整する必要があります。少しでもピントの位置がずれてしまうと、被写体自体がボケてしまう可能性があります。

F値を高くする

F値を高く設定することでどのような撮影ができるかを説明していきます。

ピントが合う範囲が広がりクッキリ写る

使用カメラ :NikonD750 レンズ:TAMRON SP AF 28-75mm F/2.8(Model A09 II)
シャッタースピード :1/10  F ナンバー:f 32  焦点距離 :28mm ISO :100
撮影場所:佐賀県藤津郡太良町 「道の駅太良」

F値を上げると、F値を低くしたときとは対照的に、画面全体でボケのないクッキリとした写真を撮ることができます。

ピントが合う範囲が広がることで、近くのものも遠くのものも同じようにピントを合わせることができ、風景写真や広角レンズを使用した室内の雰囲気を写す撮影で活用できます。

風景写真においては、F10~13程度の設定がおすすめで、ある程度絞る(F値を上げる)ことで、画面の四隅までピントが合った、高画質を体感することができます。

解像度アップ(絞り開放と比較して)


使用カメラ :NikonD750 レンズ:AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR
シャッタースピード :1/3  F ナンバー:f 8  焦点距離 :120mm ISO :400

絞り値を上げることで、解像度(どれだけクッキリ写るか)が向上する傾向にあります。

レンズの性能は数段階絞ったF値が最高になる傾向にあります。画質にこだわった撮影を行う場合は、数段階F値を上げる設定を行う方が多いです。

これは絞り開放で撮影した場合、なるべく多くの光を集めようと、レンズ全体に光を通すような設計になっています。少し絞ることでレンズにおいて光が通過する部分が中央に集中し、レンズの性能を発揮する中心部を活用することができることから解像力が向上します。

カメラマン夫
カメラマン夫

一般的にはレンズの開放絞り値から1,2段絞るとレンズの最高描写を発揮できるといいます。上記のサボテンの写真では最大開放値/F4のレンズ「AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR」を使用しています。最大開放値のF4から2段絞ったF8で撮影しました。レンズによってどれくらい絞れば、最高描写になるかは違います。レンズのレビューやメーカー情報を確認して、レンズの特性を把握するのも、いい写真を撮るのに必要になってきます。

デジタル一眼レフカメラの基礎知識 - 露出 | Enjoyニコン | ニコンイメージング
ニコンが、デジタル一眼レフカメラの基礎を、初心者にも分かりやすく解説します。絞り値(F値)についてイラストや写真を交えて説明します。
F値の上げすぎにも注意
F値を上げることで解像力が良くなるのであれば限界まで上げれば良いと思いますよね?
しかし、F値を極端に上げてしまうことで、今度は画質の低下にも繋がります。
F値を上げていくことで、レンズにおいて光が通る範囲が狭くなりますが、F値を上げて狭くなりすぎることで、今度は光が広がってしまう「回析現象」という問題が発生してしまいます。
あくまで絞りは適度な設定を行うことが大切です。

絞りを上げるとシャッタースピード低下【要注意】

カメラ3要素相関図

F値を上げることでシャッタースピードは低下するので注意が必要です。

絞り値を上げることで、光を取り込む範囲が少なくなるため、同じシャッタースピードでも低いF値と高いF値では、画像における明るさが変わります。

F値を上げて適切な明るさ(露出)にするためには、シャッタースピードが低下することも覚えておきましょう。

ボケ表現におすすめのレンズ

一眼カメラ主要メーカーである【Canon・SONY・Nikon】のフルサイズミラーレスの標準画角(35-50mm)の単焦点レンズを紹介します。標準画角の単焦点レンズは各メーカーお手頃価格で明るく写りも素晴らしいレンズなのでオススメです。

Canon RF50mm F1.8 STM

ボケ味を生かした表現と携帯性に優れたレンズです。F1.8の明るい開放絞り値と焦点距離50mmによる表現力が特徴。高画質、携帯性を実現しつつ近接撮影機能が向上している。

SONY FE 50mm F1.8 SEL50F18F

開放F値1.8、単焦点レンズならではのぼけ味を生かした撮影が可能。携帯性に優れた小型・軽量デザイン35mmフルサイズ対応で、わずか約186gと軽量で持ち運びやすく、携帯性に優れた小型・軽量デザイン。単焦点レンズの魅力を堪能できる単焦点レンズの入門としてオススメ。

Nikon NIKKOR Z 40mm f/2

「Zシリーズ」のフルサイズミラーレスカメラ対応小型・軽量単焦点レンズ。開放F値2と明るくボケを生かした表現が可能です。特徴としては質量約170gと小型・軽量で、焦点距離40mmの汎用性が高い点です。

番外 Nikon AF-S NIKKOR 50mm f/1.8G

カメラマン夫が使用している50mm単焦点レンズです。このレンズはNikonの一眼レフカメラ(Fマウント)に対応した、少し古い規格のレンズです。ただ描写力は抜群!!すでにFマウント対応のカメラボディを持っているカメラマンにはオススメのレンズです。特に中古市場では1.5万円程度から購入することが可能なので、明るいレンズを試してみたい人にもオススメです。

絞り(F値)を使いこなして一眼カメラらしい画作り

今回ご紹介した絞り(F値)の基本

一眼カメラらしい写真の一つである、ボケ味を活かした撮影では、絞り(F値)の設定を自由に操作する必要があります

カメラマン夫
カメラマン夫

「絞りを覚えることは決して難しいことではありません!」逆に絞りを覚えれば、シャッタースピードとの関係性や、ISO感度の使い方など、関連する設定についても自然と身についていきます。

「一眼カメラを始めてみたい」、「一眼カメラを始めたばかり」と言う人で、この記事を見つけてくれたカメラマンさん!!

まずカメラは「気楽に楽しむ」ことを忘れずに写真撮影をしましょう!!設定を考えすぎずに、美しいと感じつものを見つけるも大事です!!

【さぁ!みんなでカメラライフを楽しもう!!】

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