写真を撮るとき、ピントを合わせたい場所と背景のボケ具合はとても大切です。このピントの合っている範囲を理解することが、写真の印象を大きく変える鍵となります。ここで登場するのが「被写界深度(ひしゃかいしんど)」です。今回は初心者向けに、被写界深度の基本から応用まで、わかりやすく解説します。
被写界深度とは何か?
被写界深度とは、写真の中でピントが合って「くっきり見える範囲」のことを指します。例えば、ポートレート写真で人物の顔にピントを合わせ、背景をぼかす場合、被写界深度は浅くなります。一方で、風景写真で手前の花から遠くの山まで全てをはっきり写したい場合、被写界深度は深くなります。
つまり、被写界深度を理解することで、写真における「ピントの範囲」をコントロールでき、作品の印象を自由に変えることができます。
・被写界深度が深い=ボケない
被写界深度を決める3つの要素
被写界深度の深さは主に以下の3つの要素で変わります。

カメラ :NikonD750
レンズ:AF-S NIKKOR 24-120mm f/4G ED VR)
1. 絞り値(F値)
レンズの絞り値、つまりF値が小さいほど被写界深度は浅くなり、大きいほど深くなります。例えば、F1.8で撮影すると背景が大きくぼけ、被写体だけが浮かび上がる印象になります。一方、F16などの大きなF値では、前景から背景まで全てピントが合う写真になります。
2. 焦点距離
レンズの焦点距離も被写界深度に影響します。望遠レンズ(85mm〜)で撮影すると被写界深度は浅くなり、背景が大きくぼけます。広角レンズ(例:24mmや35mm)では被写界深度が深く、前景から背景まで比較的くっきり写ります。ポートレート撮影で背景をぼかしたい場合は、望遠レンズを使うのが効果的です。

3. 被写体との距離
被写体に近づくほど被写界深度は浅くなり、離れるほど深くなります。近距離で撮影すると背景がぼけやすくなるため、マクロ撮影やポートレート撮影で効果的です。逆に遠景を撮る場合は、被写体との距離があるため、自然に深い被写界深度になります。
被写界深度の応用例
被写界深度を理解すると、写真表現の幅が広がります。ここではいくつかの応用例を紹介します。
1. ポートレート撮影で背景をぼかす
ポートレートでは、人物を際立たせるために背景をぼかすことが多いです。F1.8~F4程度の絞り値で、被写体に近づき、望遠レンズを使用すると、美しいボケ味が得られます。これにより人物が背景から浮かび上がり、印象的な写真になります。
2. 風景写真で全体をくっきり写す
山や海の広がる風景を撮る場合、手前から奥まで全てにピントを合わせたいことがあります。その場合はF8~F16程度に絞り、広角レンズを使い、被写体との距離を適度に保つことで、全体がくっきりと写ります。
3. マクロ撮影で細部を強調する
花や昆虫などのマクロ撮影では、被写体に非常に近づくため被写界深度は極端に浅くなります。この場合はピントを慎重に合わせ、前ボケや後ろボケを活かすことで、被写体を際立たせる表現が可能です。
被写界深度を計算するツール
被写界深度は、絞り値・焦点距離・被写体距離の3つで決まります。最近ではスマートフォンアプリやウェブサイトで簡単に計算できるツールもあります。事前にシミュレーションしておくと、撮影現場で迷わずに最適な設定が選べます。
まとめ
被写界深度は、写真表現の重要な要素です。ピントの合う範囲を理解し、絞り値・焦点距離・被写体距離を意識することで、ポートレートや風景、マクロ撮影など様々なシーンで自由に表現できます。
初めは少し難しく感じるかもしれませんが、実際にカメラを持って試しながら覚えると、写真の仕上がりに大きな差が出ます。ぜひ、自分のカメラで被写界深度を意識した撮影を楽しんでみてください。
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